【抗議声明】東京高裁の不当判決に抗議し、市東さんの闘いへの支援を訴えます

抗議声明

 12月17日、東京高裁第4民事部(菅野雅之裁判長)は、成田市天神峰の市東孝雄さんの耕作地について、明け渡しの強制執行を許可する不当判決を下しました。私たちはこれに強く抗議し、ただちに上告手続きに入った市東さんを支え、ともに農地を守ることをみなさんに訴えます。

 成田空港会社が取り上げようとしている農地は、祖父の開墾から三代百年にわたって、耕されてきた無農薬・有機農業の畑です。このかけがえのない農地を取られることは、「我が身を引き裂かれることと同じ」だと市東さんは訴えています。
 判決はこの叫びを踏みにじり、空港会社の過去の違法と新たな権利濫用にふたをして、過酷な暴力執行に道を開くものであって、とうてい認めることができません。
 いま、日本の農業は存続の危機に立たされています。世界では家族農業の大切さが国連決議になったというのに、日本は企業の農業参入をおし進め、農家は軒並み廃業をせまられています。市東さんの問題は日本の農家の縮図です。この時に、農業に誇りをもち、農地を守るために身体をはって立ち上がる一人の農家の存在のいかに大きなことか、──そのように思うのです。
 新型コロナの感染拡大は、空港と農地をめぐる、半世紀にわたる成田問題にも光を当てました。
 「公共事業」とは名目だけのこと、「空港機能能強化」を掲げた農地取り上げがデタラメな需要予測のもとで進められてきたことが明るみになりました。成田空港はいまや過剰設備であり、縮小こそすれ拡張などやめるべきです。
 他方でコロナはかつてないほど深刻な世界食糧危機をもたらしました。世界最低レベルに落ち込んだ食料自給率のもとで、日本の食の安全と安定供給の危険が指摘されています。
 感染爆発は地球温暖化による気候変動と、資本主義のシステムが抱える構造的問題であって一過性に終わるものではありません。持続的な社会構造への転換が差し迫った課題となりました。人の命より企業利益を優先させる、これまでのあり方からの転換が求められています。成田も例外ではありません。

 成田空港会社は、市東さんに対して、これまでの違法の数々と不誠実を謝罪し、農地明け渡し請求を取り下げよ。
 裁判所は強制執行の停止を決定し、権利濫用に歯止めをかけよ。
 最高裁は下級審の不当判決を改めよ。
 市東さんの闘いへのご支援を呼びかけます。

2020年12月18日
市東さんの農地取り上げに反対する会

|

一審ひきつぐ最低の不当判決 <速報>請求異議控訴審判決(12・17)

 主文は以下。暴力執行を認める、最低の不当判決です。

 1. 本件控訴を棄却する
 2. 強制執行停止決定を取り消す(判決までの間、有効な高裁決定)
 3. 訴訟費用は控訴人の負担
 4. この判決は仮に執行できる(仮執行宣言 最高裁の確定判決前でも執行できる)

 市東さんと弁護団は、ただちに上告手続きし、抗議の記者会見を行いました。
 同時に、確定判決前の強制執行に歯止めをかけるために、受訴裁判所(最高裁、さしあたり高裁)と執行裁判所(千葉地裁)に対して、あらためて民事執行法36条にもとづき、強制執行停止を申し立てました。

 判決内容は、一審の高瀬判決をほぼ引き継いでいます。注目された新型コロナウイルスによる新事態については、「発着回数も顕著に減少し、今後の回復の見通しも明らかでない状態」だと認めたものの、航空関係者は復活を前提にしていて、裁判所としても「現時点において、将来にわたっても復活しないと認めることはできない」として空港会社を助け上げた。

 判決は最後の最後に、「なお、本件強制執行においては、その時期、態様等について可能な限り当事者間で協議を行い、平穏、円滑に・・・実現するよう最後まで努力することの重要性はいささかなりとも失われてはいない」などと書き加えている。
 ならば、裁判所はただちに強制執行の停止を決定し、空港会社の権利濫用に歯止めをかけよ!
 空港会社は明け渡し請求を取り下げよ!
 市東さんの闘いへのご支援を訴えます。

|

東峰地区と加瀬勉さんが東京高裁に要望書

 市東さんの請求異議控訴審が判決間近となるなか、成田市の東峰区住民と証人として出廷された加瀬勉さんが、東京高裁第4民事部(菅野雅之裁判長)あてに要望書を提出しました。大きな力になると思います。掲載可能とのことですのでご覧ください。

 ▼東峰地区の要望書   ダウンロード - touhoutiku_20201130.pdf

 ▼加瀬勉さんの要望書  ダウンロード - kasetsutomu_20201207.pdf

 

|

<10/22最終弁論> 石原・内藤両補佐人陳述(要旨)

 請求異議控訴審、最後の口頭弁論から、石原健二、内藤光博両補佐人の陳述要旨(PDF)を添付します。
 短いものですが、お二人がこの裁判で主張・立証されてきた内容が、端的にまとめられています。

・石原補佐人
 市東さんが営む『小農・家族農業』には成田空港を上回る高い公共的価値がある」との観点からの一審判決批判
  ダウンロード - 20201022ishihara.pdf

・内藤補佐人
 本件における民事強制執行は、権利の濫用にあたり違法・違憲であるとともに過酷執行に該当する
  ダウンロード - 20201022naitou.pdf

 

 

|

12・17判決へ ビラができました!

20201217_blog1 20201217_blog2

ダウンロード - 20201217brs.pdf

拡散をお願いします。

 

|

「どんなことがあろうと、私は天神峰の畑を耕し続けます」 市東さんの最終陳述(全文)

 私に対する強制執行は不当だと訴えた裁判の、控訴審が最後の法廷を迎えました。2006年に始まった裁判から数えると、14年にもなります。
 しかし、自分がなぜ訴えられているのか、今もまったくわかりません。
 祖父・市太郎の開墾から百年、うちは代々、地道に畑を耕してきました。空港がやって来るまで、地主との間に、なんの問題もなく畑をつくってきたんです。

・空港会社の裁判で生活が一変

 ところが、今から17年前に突然、空港会社が地主だと名乗り出ました。「畑を明け渡せ」と言い、早朝に機動隊を連れてきて、出荷場や農機具置き場など、建物全部に「公示書」を貼りました。
 畑を耕す親父に隠して、空港会社は畑を買い上げ、地代は藤﨑・岩澤に受け取らせていたのです。
 その後、計画にはまったく無かった誘導路をつくると言い出し、市道を封鎖しました。南台の畑に行くための直線道が使えなくなり、家と畑は空港に囲まれました。抗議した私は不当に逮捕されました。
 そして畑を取り上げる裁判が始まり、私の生活は一変しました。空港会社の要求は、「私に農業をやめろ」「農地を取り上げる」というものでした。先々への不安がつきまとい、まったく無縁だった裁判所にも通うことになったのです。

・小作農にも、耕し続ける権利がある!

 私は小作農ですが、たとえ小作農だとしても耕し続ける権利があります。違いますか?

 農地法は「農地と耕作者の地位を守る」ための法律です。
 一度は「土地収用法」にかけた農地を、それが失効したからといって「農地法」で空港のために取り上げる、──これは正しいやり方ですか?
 そもそも、親父に内緒で農地を売り買いすることは違法じゃないですか!

 一審判決は、「権利の安定性に一定の限界がある借地」だと書いていますが、農地はそんなものではないし、今、述べた経過からしても、とうてい承服できる判決ではありません。
 農家を守るはずの「農地法」を盾に、農地を取り上げる不当は、決して自分だけの問題ではないはずです。負けるわけにはいきません。

・「ウイズ・コロナ」の成田空港  計画中止と縮小へ

 いま、成田空港はガラガラです。家の前のB滑走路はコロナで閉鎖しました。7月に再開しましたが、回復にはほど遠く、家のそばの誘導路を使うLCCのうち2社が撤退しました。今はとても静かです。
 これが「ウイズ・コロナ」の空港です。政府は、私たちに「新しい生活様式」に変えろと言いますが、いちばん変わらなければいけないのは、空港と航空会社だと思う。

 そもそも、コロナの以前に、航空需要の予測がデタラメでした。デタラメな予測によって、「空港の機能強化」や「誘導路の直線化」「滑走路延伸と第三滑走路計画」がだされたことも、はっきりしました。拡張計画に、なんの説得力もありません。
 これでも、裁判所は、「農地取り上げの強制執行」をさせる気ですか!

・私は天神峰で畑を耕し続けます

 正しいものは正しい、嘘はつかない。私はそういう仕事をしてきたつもりです。
 親父は「空港に反対する者は正直でなければいけない」と言っていました。そうでなければ、反対運動はできないし、無農薬・有機農業もできないんです。いちばん大事なものは、人と人との信頼関係です。
 消費者は私たちを認めています。畑見学に子どもを連れて多くの家族がやってくる。「おいしいね」と言って食べてくれる。自分は安全で美味しい野菜づくりに精魂こめる。こういうつながりこそが、自分の宝です。

 私の農地が潰されたら、萩原さんと一緒に作ってきた産直も終わりです。
 私自身の生業が立たないばかりか、長い時間をかけて作ってきた消費者との関係も失ってしまいます。
 「デタラメばかりの空港に、畑を取られてたまるものか」という気持ちです。

 私は、裁判長に言いたい。

土は生きている。土を殺すな。コンクリートの下にするな。
俺の仕事と誇りを奪わないでくれ。
農業をおろそかにしてはならない。
強制執行を許可しないでほしい。

どんなことがあろうと、私は天神峰の畑を耕し続けます。

|

<速報 最終弁論> 請求異議裁判の集大成 342ページの大弁論(10/22)

 昨日(22日)午後、東京高裁第4民事部(菅野雅之裁判長)で、請求異議控訴審の最終弁論が行われました。
 弁論に先立ち、冒頭、控訴人・市東孝雄さんが最後の陳述を行い、石原健二、内藤光博両補佐人が陳述しました。また、前回、証言に立った鎌倉孝夫氏から、コロナ禍の経済分析についての補充意見書が提出されました。

 市東さんは、足かけ14年にもなる裁判が自分に何をもたらしたかを語り、「小作農にも耕す権利がある」と一審高瀬判決を強く批判。コロナ禍で飛行機も飛べない空港のために、強制執行を認めることの不当を訴えました。
 そして最後に、裁判長を見据えて次のように訴えました。
 「土は生きている。土を殺すな。コンクリートの下にするな。
  俺の仕事と誇りを奪わないでくれ。
  農業をおそろかにしてはならない。
  強制執行を許可しないでほしい。
  どんなことがあろうと、私は天神峰で畑を耕し続けます」

 この農地を守る市東さんの決意に続いて、石原補佐人は農業の公共性を踏まえて家族農業の世界的趨勢を論述。衰退する日本農業における市東さんの農業の大切さを陳述しました。内藤補佐人は、強制執行の権利濫用と過酷執行性について憲法論の立場から詳細に論じました。

 弁護団の最終弁論は請求異議裁判の文字通りの集大成。342ページの大作でした。全ての論点が、一審高瀬裁判長の不当判決に対する徹底批判です。その最後は、コロナ禍によって機能不全の成田空港を詳論。それが一過性に止まるものでないと論述し、「本件農地を空港用地に転用する必要性は喪失した」「明け渡し請求権は消滅した」と断じています。
 その結語の要点は次のようなものです。
・ パンデミックによる「コロナ大不況」は世界史的な大事件。
・世界の航空需要は激減し、とりわけ成田空港の需要が元の状態に戻る可能性はない。
・この新事態の下では、誘導路を直線化して「効率的な運用」を実現するという本件農地の空港用地転用の必要性は皆無。
・本件農地を空港用地に転用する必要性が消滅した以上、給付訴訟(農地法裁判)の確定判決は死文と化しており、本件強制執行は著しく信義誠実の原則に反し、正当な権利行使の名に値しないほど不当。
・よって、本件強制執行は明白な権利濫用となり、請求異議事由が認められるので、原判決を取消して本件強制執行を許可しない旨の判決が下されるべきである。

 判決は、12月17日木曜日、午後2時。
 わずか2ヶ月後のあまりの早さ。菅野裁判長は、この日の陳述・弁論に正対・熟慮して、強制執行をやめさせる判決を下せ。

|

本日(10/22)請求異議控訴審最終弁論  全日空が成田国際線8割を削減(NHKトップニュース)

 本日(10/22)、請求異議控訴審の最終弁論。
 午後2時開廷 *傍聴希望される方は、遅くとも1時半までにお集まりください
 デモがあります。 *11時30分日比谷公園霞門集合
          *デモ終了後、裁判所要請行動
 これらに先立ち、私たちは裁判所前でビラを撒き訴えます。

     ***
「全日空が国際線の大多数を休止、羽田に集約」
 昨夜7時のNHKニュースがトップで流しました。ネットのニュース・情報サイトでもかけめぐりました。
 新型コロナにより国際線で9割減便が続き、回復のきざしなし。今期5000億円規模の大幅赤字の見通しです。
 このため羽田、成田、関西、中部4空港の国際線の大多数を休止し、羽田に集約。
 とくに成田発着は8割、削減することを決定したと報じています。
 すでにLCC2社が成田撤退を表明。

 これがコロナ禍の現実です。しかも一過性に終わることではありません。
 成田空港は縮小こそすれ、増設・新設など論外。コンクリートを剥ぎ取って農地に戻せ!
 農地取り上げ強制執行など許されることではない。

|

どなたも歓迎! 裁判傍聴  10・22請求異議控訴審最終弁論

飛行機が飛べないのに、なぜ農地をつぶして拡張するのか?!

 │新型コロナで需要予測のデタラメと成田空港の設備過剰があらわになった。

 │これにより農地の空港への転用目的は消滅した。
 │市東さんの農地取り上げの強制執行は正当な権利の行使と言えず、
 │裁判所は許可してはならない。


 新型コロナの直撃で、成田空港B'滑走路は3ヶ月余にわたって閉鎖。再開したものの今も回復の見通しは立ちません。
 そもそも、インバウンド(訪日旅客)のなんと9割が観光目的。安倍内閣の「観光立国推進基本法」のもとで、国交省が2013年にまとめた需要予測(2020年代には成田・羽田の処理能力が追いつかない)は、根拠のないもだったことはいまや明らかです。「航空需要は右肩上がり」だといって、野放図に拡張してきたツケが、いま大きくのしかかっています。

 他方で、新型コロナは世界的な食糧危機をもたらし、WFP(国連世界食料計画)は、今年2億6,500万人が食料不安に陥ると警告しました。食料自給率37%にまで落ち込んだ日本がとるべき道は、農業・農地の再生です。
 私たちは農地を守るために身体を張る市東さんに共感します。

 請求異議控訴審 最終弁論
 ◼️10月22日(木) 午後2時開廷

 ◼️東京高裁1階大法廷
  *抽選があります。傍聴を希望される方は、開廷の30分前までにお越しください。

|

10・22控訴審ビラができました 請求異議最終弁論

4_a 4_b

|

«「強制執行は農民としての人権を侵害する権利濫用。認めてはならない」 第3回請求異議控訴審 裁判報告(5)石原健二補佐人