大きく「間違っている」のじゃないか! ──請求異議控訴審11・9シンポジウム 報告(2)

Shio_tr  休憩の後、稲作農家の小川浩さんから、厳しさを増す農業現場の報告を受けました。
 台風15号では、機械が故障して3万羽の鶏が死んだ農業仲間があったという。ハウスや畜舎が倒壊して、廃業や規模縮小を考える農家が生まれている。
 だが、
「今回の台風に限らず、今、農業は崩壊の危機に立っている。私の集落は50戸あるが、今や専業農家は3戸だけ」「かつては出稼ぎや兼業で農地を守ってきたがそれもできなくなっている」と話しました。
「ここ5年で農業人口が76万人減り、農家収入も減っている。安倍は『8割の農地を担い手に集中させる』と言うが、政権が思うようには進まない。中山間のように条件が悪ければ借りる人はいない」
「TPP、日欧EPA、日米FTAとやってきて輸入農産物が広がれば、日本の農業はどうなるのか。いまや食料自給率は37%に落ち込んだ」
 そして、貿易協定を見越して食の安全の規制緩和がなされている現実について、アメリカの現実を紹介した。遺伝子組み換えや異蛆虫やハエの卵、カビなど異物混入の事例に会場も驚きの声。「日本の農家がダメになれば、知らないうちこうなる。農業危機は食料危機」「農業は命にかかわる食料生産だから農民だけの問題ではない」と訴えました。
 最後に、「市東さんが農地を守る姿は、日本の農家にあるべき姿を示していると思う」と称え、支援を呼びかけました。
 小川さんの報告は廃業に向けられる農家の現実をリアルに伝えるとともに、農業を守ることの大切さを教えており、会場は拍手で応えました。
 その後、市東さんとともに壇上で質疑の時間(上に写真)。小川さんらが主催した農業問題研究会の活動や、太陽光によるソーラー・シェアリングなど、多彩な質問に応えました。
「父・東市さんが生きていたら、今の市東さんになんと言うだろう? 継いでくれてありがとう?」という孝雄さんへの質問には、
「ありがとうとは言わないだとうけど…、まあ、頑張れくらいかな」と笑いながら対応する場面も。

▼沖縄現地から安次富浩さん
 続いて沖縄現地の報告を安次富浩さん。
「2004年の4月19日に辺野古にテント張って、今日で5,683日。ゲート前にもテント作って1,952日目。あきらめません。これが沖縄の闘い」と切り出して、「米軍植民地支配27年間闘い続けて日本復帰を勝ち取った。平和憲法のもとに戻ると思ったが、幻想だった。この国は民主主義国家ではない。復帰から47年、政府はメキシコに対するトランプのように、本土と沖縄の間に壁を作っている。米軍と戦い、この日本政府と戦っている」と話しました。
 そして、尖閣列島問題を口実とした与那国、石垣、宮古、奄美、徳之島への自衛隊の配備強化、SACO合意違反のパラシュート降下訓練や、戦闘機の墜落事故、米軍規律の乱れなどについて報告し、問題にしない日本政府を批判しました。また、埋め立てがどんどん進むというNHK報道、「辺野古から」というタイトルで「辺野古区民 対 沖縄県民のたたかい」などと誤ったメッセージを送る報道姿勢など、側面からの圧力があることを明かしました。

「埋め立てが始まって1年になるが、工事は全体計画のわずか2パーセント。海面から3メートルの護岸を作って辺野古側を埋め立てている。本来は大浦湾側が、埋め立て計画の第一段階。それができないのは軟弱地盤と2本の活断層。これがバレた。日本の技術では対応できない」と現状を報告。
「われわれは決してあきらめない。知事選では団結して勝った。県民投票でも各種の選挙でも民意が現れた。県外にも、国際社会にも訴える。みなさんは沖縄に来ることも大事だが、ヤマトで安倍政権との闘いを頑張って欲しい。あきらめない、粘り強いたたかいで連帯してこの国を変えよう!」と力を込めました。最後に、焼失した首里城再建への支援を訴えました。

 このあと、弁護団の講演と裁判報告へ。その報告は次回に。

 

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大きく「間違っている」のじゃないか! ──請求異議控訴審 11・9シンポジウム 報告(1)

 いまやあらゆる場面で見られる理不尽な社会矛盾。市東さんの農地裁判では、そのことを嫌というほど感じさせられる。
 理不尽はいったいどこから来るのか? 不屈に闘い続ける市東さんの思いは? そのことをつかみ、うち破るためのシンポジウムの報告です。
 
 冒頭、司会の紹介の後、主催者挨拶として坂本進一郎代表からのメッセージ。「土は生き物」と強調する市東さんに、「そこに農民としての生き甲斐と生きる意味もある」と共感して以下。
「市東さんが農地を死守することの意味は大きい。市東さんが頑張ることは、農業を軽んじる〝軽農思想〟がぶっ飛ぶこと。守るべきは守らなければならない。守るべきは市東さんの農地」と、シンポジウムの成功を呼びかけました。
 続いて基調報告。事務局の小川正治が、井村弘子共同代表の逝去を報告するとともに、今後は坂本進一郎代表のもとで継続することを表明しました。そして、農業の公共性と農民の権利、産直型協同性などを深めてきたこの間のシンポジウムや、現地調査と勉強会、会報の発行など、これまでの方針を堅持・継続し、発展させることを確認しました。
 そして請求異議控訴審の緊迫に対して、
 ①1・16第2回控訴審傍聴闘争への結集
 ②市東さんの闘いを知らせる運動の強化と会員拡大
 ③空港会社東京事務所前や東京高裁と国会や各種の集会・デモにおける宣伝など法廷外行動の強化。
 ④現地調査の実施と、異変があればただちに現地にかけつける陣形づくり
 ⑤裁判財政の強化のための会員拡大・特別カンパ
 以上、5点の運動方針を呼びかけました。

▼ぶっつけ本番の市東さんインタビュー
 いよいよ市東孝雄さんのインタビュー。事務局の林伸子が「ぶっつけ本番」の質問を投げかけました。
 最初に、台風15号がもたらした被害がスクリーンに。大破したハウス、定植用の苗が全滅し、畑では取り入れ前のシシトウ、ナス、ピーマンなどがことごとく倒され、里芋が茎から折れています。
「初めて出荷を2回休みました」と市東さん。その市東さんに消費者から激励の言葉や物品が届いたという。「農業に誇りをもってやっていて、野菜を届けることが役目なので、それができないことは悲しいこと」と言いつつも、「災害を通して〝消費者は家族〟だということを強く感じた」と話しました。

 お話は控訴審で行われた市東さんの意見陳述に。市東さんが強く訴えた2点、「畑の秘密売買」と、「話し合いを尽くした」という空港会社の嘘について、詳しく尋ねました。
 二人の地主(藤﨑・岩澤)が畑の買収を隠して15年間地代をだまし取ってきたことが、空港会社と結託して行われた事実として次第に明らかに。また、そのことが新聞報道で露見した後、家にきた公団用地部長は「ポケットに手を入れて」話をしたという。社会通念からかけ離れた尊大な態度に、会場は驚きの声をあげ、市東さんは「話し合いじゃないよ。アリバイ作り」と感じたままを述べている。
 そして、新滑走路建設とB滑走路延長のための計画変更について、「住民を追いつめ、諦めを強要している」「自然を破壊し環境を破壊する。あちこちで災害が起きるのは、人が山を壊すから。自然と人間は共存すべき。だから自分は空港とは共存しない」と笑いを誘った。
「無農薬野菜、有機農業に生き甲斐を感じる。野菜がうまくできて、消費者に美味しかったと言われることが自分の喜び、誇りです」「頑張るので末永くお付き合いを」と訴えました。
 公開のインタビューという形は、文字になった陳述書とは一味違って、農地に対する市東さんの思いや、守り続ける意思がより深く理解できました。

 その後、10分間の休憩を挟んで後半に。房総の稲作農家・小川浩さんの農業現場からの報告が、市東さんの闘いの意義をさらに深めるものとなりました。その報告は次回に。

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請求異議控訴審 シンポジウムを開催 11・9 文京区民センター

 11月9日午後、文京区民センターで「おかしくないか? 大きく「間違っている」のじゃないか!」をテーマとするシンポジウムが開かれました。いまやあらゆる場面で見られる理不尽な社会矛盾を念頭に、控訴審に入った市東さんの農地裁判について考えを深める企画。100名を超える人々が集まり、市東さんへのロングインタビューと農業現場からの報告から多くのことを知らされました。
 さらに、弁護団の講演と裁判報告・決意では、反動化を進める司法制度の歴史を学び、これと闘う農地・三里塚裁判闘争の意義を深めるものとなりました。沖縄・辺野古から安次富浩さんが特別報告。「絶対にあきらめない」闘いを呼びかけ勇気をもらいました。
 詳細は追って。下の写真は、スクリーンを背に、市東さんの思いをお聞きしたインタビューと会場風景です。
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11・9 文京区民センターにお越しください

Bunkyouおかしくないか? 大きく「間違っている」のじゃないか
市東さんの会シンポジウム

2019年11月9日(土)
▼文京区民センター
 ・春日駅 徒歩2分(都営三田線・大江戸線)
 ・後楽園駅 徒歩5分(丸の内線・南北線)
 ・JR水道橋駅東口 徒歩15分
▼開場 13:15 開始 13:30
▼資料代 500円

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8ヶ月ぶりに耕作権裁判を再開 10/28千葉地裁民事第2部 

 10月28日午前、千葉地裁(民事第2部内田博久裁判長)で耕作権裁判が開かれた。証拠を隠し続ける空港会社とこれを容認して文書提出命令申立を棄却した裁判所によって空転が続いてきたが、東京高裁が抗告を棄却して再び動き出した。
 この日はまず裁判官の交代にともなう更新意見が行われ、その後に提出書面を確認した。
 更新意見で弁護団は、市東さんの畑の一部を「不法耕作」だとする空港会社の主張に対して、それが事実誤認(「南台41-9」問題)であることを詳細に論述し、あらためて関係文書の開示を求めた。さらに耕作の正当性を裏付ける「元永メモ」の重要性を論述し、これを調べるよう迫った。
 次回期日は、2月3日(月)午前10時30分
 次々回は、5月18日(月)午前10時30分
 ただし、弁護団は文書提出命令をさらに2件申し立てており、地裁の決定如何でふたたび裁判が中断することもある。

 この日は続けて、新件ヤグラ裁判が内田裁判長のもとで行われた。この裁判は、空港反対同盟が所有するヤグラ・看板の撤去を求めて空港会社が起こしたもの。市東さんの農地裁判の土地の上に立つことから、農地裁判と一体の法的争いがある。
 裁判は、証人尋問の段階に入りつつあり、すでに3期日を裁判所に認めさせている(12/16、1/22、1/30。3/18最終弁論予定)。だが問題は証人採用にあり、弁護団は黒野元空港会社社長(元公団総裁)を始めとする3人の敵性証人と被告側11人の証人採用を求めている。期日は入れたが採用を絞って立証を潰そうとする内田裁判長との激しいたたかいになった。10月30日に予定される進行協議が注目される。

 裁判に先立ち、市東さんを先頭に千葉市中央公園から裁判所までデモ行進が行われ、空港会社の農地取り上げとこれに肩入れする裁判所の不当を市民に訴えた。裁判後の報告会で市東さんは、原告・空港会社を激しく追及したこの日の裁判を振り返って「どっちが原告か被告かわからない裁判だった。こんな裁判は取り下げろと言いたい」と話した(下写真)。

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〝知らなかった人にも知って欲しい〟 配布にご協力ください!

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 11月9日(土)に行われるシンポジウムのビラです。
 拡散にご協力ください。
 印刷データは、以下からダウンロードねがいます。
  表面:20191109sympo_a_blog.pdf
  裏面:20191109sympo_b_blog.pdf

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11・9シンポジウムにお集まりください

▼市東さんの農地取り上げに反対する会 シンポジウム
 日時:11月9日(土)午後1時30分(開場1時15分)
 会場:文京区民センター 最寄は春日駅、後楽園駅、JR水道橋駅東口(徒歩15分)

 どこかおかしくないか! 大きく「間違っている」のではないか!
 いま、吹き出す社会の矛盾に蓋をして、力で押しつぶす政治があらゆる場面に見られます。
 農家切り捨て・農業つぶしもその一つ。そして有機農業を続ける市東さんの農地の取り上げは、力による農家つぶしの象徴といって過言ではありません。

 これにあらがう請求異議裁判の、控訴審が東京高裁で始まりました。その第1回法廷直後のシンポジウムです。
 空港会社による農地取り上げの提訴から13年、不当な最高裁判決にもかかわらず、強制執行を停止させて闘われてきたこの異例の裁判もついに、一回一回がまさに勝負の法廷となりました。
 その第1回の、市東さんの冒頭陳述は気迫に満ちたものでした。なんとしてもひっくり返したい、ひっくり返すというその思いに迫り、農業と農民の人権、基地・原発・空港から食に至る「公共性」とは何かを考えます。
 知らなかった方にも分かるように、ざっくばらんに話せる会場づくりを心がけています。お集まりください

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請求異議控訴審が始まりました

 昨日(24日)、午後2時30分から東京高裁(第4民事部 菅野雅之裁判長)で、第1回請求異議裁判が開かれました。冒頭、市東さんが意見陳述。一審千葉地裁・高瀬判決の不当を訴え、成田空港会社による農地取り上げ強制執行を不許可とするよう求めました。以下に、裁判所に提出された陳述書(PDF)を掲載します。
 市東さんの陳述の後、弁護団が総出で230頁もの控訴理由書の要旨を陳述しました。
 その後、人証申出を含む書面のやりとり。
 そして弁護団は、なんら根拠を示すことなく一方的な主張を繰り返してきた空港会社とこれを容認したまま判決した一審の訴訟指揮を強く批判。控訴審では、かみあった論議を保障する訴訟指揮を行うよう強く要望しました。
 一度ならず重ねてなされたこの要望に対して、菅野裁判長は「当事者主義ですから、主張を裏付けることは物事の大原則」と発言しました。弁護団が引き出した、このことばを忘れてはならないと思う。ことば通りの訴訟指揮がなされるかどうか、請求異議控訴審は一回一回が勝負の裁判です。

 次回期日は、年明け1月16日(木)午後2時開廷。

 市東孝雄さんの陳述書PDF
  →  ダウンロード - 20190924shi_tinjyutsu.pdf

  ※陳述書に1カ所訂正があります。
   5頁、本文8行目 「2003年12月」→「2004年1月」

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9・24請求異議第1回控訴審に集まってください!

 請求異議裁判の第1回控訴審が、一週間後に迫りました。この裁判は、市東さんの農地を取り上げる強制執行が、過酷執行に至る権利濫用にあたるからやめることを求めた裁判。昨年12月20日、千葉地裁・高瀬順久裁判長は、この市東さんの訴えを棄却する不当判決を下しました。
 市東さんはただちに控訴し、弁護団は230頁に及ぶ控訴理由書で高瀬判決を徹底的に批判するとともに新たな主張を展開、それを裏付ける証人を準備して臨もうとしています。
 みなさん
 市東さんの農地裁判は文字通りの正念場です。不退転の決意で陳述に立つ市東さんとともに法廷のたたたかいへ。東京高裁を包囲する人の集まりとデモに立ち上がりましょう。

 請求異議裁判 第1回控訴審
  東京高裁第4民事部 菅野雅之裁判長
  9月24日(火)午後2時30分開廷
  102号法廷

<当日の行動予定>
 11:30 日比谷公園霞門集合
 12:00 デモ行進
 13:00 要望書提出
 13:30 抽選券配布(14時しめきり)
 14:00 傍聴券交付
 14:30 開廷
  *閉廷後に裁判報告会が行われます
  *市東さんの会は、10:30から高裁前でビラまきします

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台風15号 市東さん萩原さんも被害甚大

 台風15号の被害は甚大で、千葉県では電力が復旧せず水や電話、基地局がダウンしてスマホ・ケータイも使えない地域があります。
 11日午後、天神峰の市東さん宅に行き、南台や花植木の畑、東峰・萩原さん宅と畑を見ました。いずれも被害の大きさに驚きました。

 市東さんのところは、2棟のハウスが大破。ビニールを巻き上げたのでパイプの損傷は比較的軽微ですが中はメチャメチャで、定植前のレタスなど苗は全滅。家の前の畑は、ミニトマトとゴーヤが、骨組みのパイプごと倒れて出荷不能。生姜だけがなんとか持ち直すといったところ。
 樫の木の枝が折れて散乱し、離れの脇にあった冷蔵庫は倒れたまま。旧県道を隔てたお大師さまは風にあおられて礎石からズレ落ち、そばの大木は幹が折れていました。

 市東さんはジャガイモ作りや、届いたばかりの白菜と新たに撒いたレタスに水をやるなどしながら、被害状況を詳しく話してくれましたが、今週の出荷は中止、来週からわずかでも出せるものを出荷すると言っています。

 南台の畑ではナス、シシトウ、ピーマン、オクラなど出荷予定の野菜が風にやられてほとんど出荷できない状態。サツマイモも葉はかなりボロボロですが、土のなかの芋がどうなるかはこれからです。芽が出たばかりの人参はたぶん大丈夫。分蘖ネギと長ネギはほとんど折れた状態ですが、強いので持ち直すんじゃないかと市東さんは話しています。
 花植木の畑は、里芋が風にやられていました。ただ、ここは半分以上が耕運したばかりで作物なし。

 萩原さんのところは昨日の朝になってやっと電気が来て水が使える状態になったそうです。畑は市東さんと同じような状態で出荷は厳しい。加えて建物の被害が大きい。炊事場と食堂の屋根の瓦が飛びブルーシートをかぶせています。貯蔵所と農機置き場としていた小屋の屋根のトタンはほとんど吹き飛びました。新しいハウスは、厚めのビニールが強くてパイプごと壊れました。県道の電柱にはビニールが巻きついていました。東電に処理を頼んでいるようですが、手が回らずそのままでした。

 市東さんは「長い畑の歴史のなかにはこういうこともある。めげずに作り続けるのが農業。そうやって百年続き、これからも続けていく」と言っていました。
(市東さんの会事務局)

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