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米韓FTAは日本の未来か?  少しずつ姿を現す悪影響

 昨年3月に発効した米韓FTAには、ISD条項のほかにも、ラチェット条項、未来最恵国待遇などのさまざまな毒素条項がある。それらがいまどのようになっているか。米韓FTAはTPPの日本を予告するといわれるが、その一端を韓国の弁護士・宋基昊(ソン・ギホ)氏が語っている。
 発効から約1年で「即断するのは難しい」というが、その悪影響は徐々に現れている。
 出典は農業協同組合新聞JAcom。詳細は<続きを読む>へ。

・ISD条項:Investor-State Dispute Settlement 韓国に投資した企業が、韓国の政策によって損害を被った場合、世界銀行傘下の国際投資紛争仲裁センターに提訴できる。韓国で裁判は行わない。
・ラチェット条項:Ratch 一度規制を緩和するとどんなことがあっても元に戻せない、狂牛病が発生しても牛肉の輸入を中断できない。
・未来最恵国待遇:Future most-favored-nation treatment 今後、韓国が他の国とFTAを締結した場合、その条件が米国に対する条件よりも有利な場合は、米にも同じ条件を適用する。

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宋基昊(ソン・ギホ)氏の話から2カ所を抜粋
◆国内企業がISDを活用?
 外国投資家が国家を訴えることができるISD条項が韓米FTAに盛り込まれたことはわが国にも衝撃を与えた。この影響は出ているのか?
 この問題では、昨年9月にベルギー籍の米国系ファンド会社のロンスターが韓国政府に2兆220億ウォン(約1820億円)の損害賠償を請求したことが明らかになっている。
 ロンスターは韓国の銀行を買収、それをまた別の企業に売却したのだが、韓国政府がこの取引での株式譲渡承認を遅らせ、投資金回収で差別を受けたと訴えている。また、譲渡取得税3900億円の課税処分は韓国政府の意図的な基準での課税だなどとして世界銀行が設置した投資紛争解決国際センター(ICSID)に提訴した。これは韓ベルギー投資協定に基づくもので韓米FTAによる提訴はまだないと日本の外務省も報告している。
 ただし、宋氏は韓国の電力会社である韓電がISDを利用しようとした動きがあったことを報告した。これは政府と地方自治体の電気料金政策を問題視し、ISD条項の適用の可否を法律事務所に依頼したという事件が昨年10月に発覚したというもの。なぜ、韓国の公的企業が国際仲裁などを検討したのかといえば「韓電に投資した外国人株主のためだった」という。韓米FTAを利用して利益を得ようとする動きは、海外からだけでなく実は足下からも起きかねないということだろう。
◆「米」の例外は一時的か
 韓米FTA発効後も農産品と食品の関税撤廃はまだ本格化していない。しかし、政府資料によれば米国産果実の輸入が急増している。昨年3月15日から6月末までの間に輸入量はオレンジで140%、レモンで199%、アーモンドで186%などの増加となっている。
 牛肉はBSE規制で30か月齢以下の輸入としているが、米国は1月に韓国に月齢撤廃を要求した。
 米国産牛肉の占有率は2011年の37.2%から2012年には40.6%に増えた。宋氏によればこれは「30か月齢以下に限定されているから」と韓国国民が評価した結果であって、米国産牛肉全体への信頼が回復したわけではない。しかし、米国は消費量増大を理由にさらなる規制撤廃の圧力をかけてきているという。
 一方、韓国の「米」は除外品目とされた。しかし、昨年、次のような事実が発覚したという。
 米国は、米を例外扱いとしたのは、WTO協定が2014年までは関税化の例外としているからだ、と説明、そのうえで、2014年以降は米を例外からはずすための再交渉をしたいと韓国政府に伝えていた。宋氏は「例外が確保されたといっても、それは一時的なものということだ」と指摘。さらに2014年までの間はミニマム・アクセス米の増加を要求されているという。「例外扱いを求める代わりに米国は必ず対価を要求してくる」とも指摘した。
 このような韓米FTA発効後の状況を報告したうえで宋氏は「農業だけの問題ではなく、政府が宣伝するように貿易が拡大できるものでもない」と指摘し「目的は制度を変えることにある。ただし、目の前で服が盗まれるように見えるものではないから、その深刻さが理解されない」と訴え、講演会の参加者に「TPPは参加そのものを阻止することがいちばん大事だ」と強調した。

 農業協同組合新聞JAcom
 

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