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「殺農政策」と呼ばれる米韓FTA   発効後1年、輸入急増で畜産悲鳴

Korea_husbandry  米韓FTAは日本のTPPのモデルと言われる。発効後1年の韓国の農業事情について、先に韓国の弁護士・宋基昊(ソン・ギホ)氏の講演を紹介したが、これは実際の畜産農家のレポート。農業団体の代表は米韓FTAを「殺農政策」と言ってバッサリと切り捨てる。

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▼写真は韓国の畜産農家
  出典は、e農ネット 4/3 Wednesday

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 米国がTPPのモデルに位置付ける米韓自由貿易協定(FTA)が2012年3月15日に発効してから1年が過ぎた。韓国の農業への影響を報告する。
「未来が全く見えない。この状況が続けば廃業せざるを得ない」
 ソウルから東南にバスで1時間半。忠清北道陰城郡の肉牛一貫経営農家・金明吉さん(56)は、配合飼料の削減で 背骨が浮き出た肥育牛を指さし嘆いた。肥育牛40頭、繁殖雌牛30頭を飼養する中小規模の農家だ。
 韓国では10年11月~11年4月に口蹄(こうてい)疫が大発生し、そこからの経営立て直しの最中に米韓FTAが発効。価格が安い米国産の輸入急増で国産も下落し、国際的な配合飼料価格の高騰にあえぐ肉牛経営に追い打ちを掛ける。
 肥育牛の価格は2月が生体1頭650万~670万ウォン(1ウォン約0.08円)で、米韓FTA発効前の10、11年の平均を3割下回る。子牛価格も6カ月齢で雌が80万ウォンと3分の1、雄が150万ウォンと6割の水準だ。
 金さんは、自給できる粗飼料の給与を増やしコスト削減に取り組むが、経営は悪化。借金が1年前の2倍の2億ウォンになった。「もう限界だ。来年、息子が大学を卒業するのに合わせて廃業も検討中だ」と話す。
 価格下落は、口蹄疫で国産が減り輸入が増加、国産の復活で需給が緩和していることが主因とみられる。輸入量は国産の回復で減っているが米国産は今年1月が1万3000トンと前年同月比43%の増。輸入に占める割合も41%に高まった。
 米韓FTAで韓国は、40%の牛肉関税を15年かけて段階的に撤廃する。1年間の削減幅は2・7ポイントだが、スーパーなどは関税撤廃を先取りした安売りを展開する。関税の削減幅を超える米国産の価格引き下げが、国産価格の足を引っ張る。
 豚肉も同じだ。22.5%の関税を10年間で撤廃。毎年の削減幅は2.25ポイントだが、米国産の1月の輸入量は1万7000トンで前年同月比で13%増えた。輸入に占める割合は45%と過去最高を更新。国産価格も下落した。
 陰城郡の養豚農家・呂運浩さん(71)は生体価格が半値に落ち込み経営規模を縮小した。「農家の努力だけでは限界だ。豚を青瓦台(韓国の首相官邸)に放り投げたい」と怒りをあらわにする。
 農民運動組織・陰城郡農民会の李尚政会長は「政府はFTAが発効しても牛肉と豚肉の輸入は増えていないと説明するが、輸入の中身を見なくてはいけない」と、国産価格の下落の要因として米韓FTAの影響を指摘。「畜産農家の廃業が加速しかねない。政府の“殺農政策”に憤りを感じる」と語気を荒らげた。

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