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最終弁論ONE POINT⑫  「著しい手続き違反」 ~第4部 第10章~

Mokuji 「憲法31条の保障は行政手続きにも及ぶ。・・・すなわち、適正な内容の手続きが、一連の行政手続きにおいて履践されなければならない」
 ──第10章「著しい手続き違反」から 127頁

 憲法31条は、「何人も、法律の定める手続きによらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、またはその他の刑罰を科せられない」と定めています。
 直接には刑事手続きに関するこの条文は、それだけにとどまらず行政手続きにも及ぶことが、最高裁の判例でしめされています。
 いわゆる「成田新法訴訟」で切り開いたこの判断(1992年7月1日)は、市東さんの農地をめぐる農業委員会から千葉県農業会議、知事の決定に至る手続きにおいても、適正になされなければなりません。
 第10章は、この角度から検討して、憲法違反を明らかにしています。



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 この法定手続きの保障について、最終弁論は、①申請に至る過程、②農業委員会、③農業会議、④知事の決定と、順を追って詳細に論じている。ここではそのなかから、いくつかポイントを紹介します。

1.空港会社の虚偽申請
 空港公団が旧地主から農地を秘密に買収したのは、1988年4月と3月のことだったが、許可申請にあたって空港会社は、これをわざと明記せず、「2003年12月24日に所有権、賃貸人の地位を得た」とした。
 これは卑劣な大ウソ。ウソをつくことによって、秘密売買や地代のだまし取り、農耕者でない空港公団が純然たる農地を15年間も所有し賃貸していた事実を隠したのだ。農業委員会は、最後の最後までだまされた事実に気づかないまま、農業会議に進達した。

2.成田市農業委員会の受理・審理の違法
 虚偽申請を見抜けなかったことのなかに、農業委員会のズサンさが現れているが、そもそも申請を受理したこと自体が問題。農地法に照らせば、以下の違法は一目瞭然だ。
 ・小作人としての市東さんの同意がないままの農地の買収
 ・1988年の買収時点から1996年7月まで、空港公団の住所は東京。不在地主。
 ・敷地外農地(「南台41-8」の一部)の無許可買収
 明け渡しを求める農地の位置の誤認という、前提的な問題はもちろんのこと、職務に忠実であるならおよそ受理でいるものではない。
 しかも、行政手続法に沿った、聴聞、事実調査は行われず、精査を拒否したまま議決を強行している。
 さすがに「本来は地主・小作人双方の了解を得て合意解約、離作補償、用地買収ののちに所有権移転することが望ましいことは明白です」などと付帯意見をつけて進達したが、それで贖罪できるはずもない。

3.千葉県農地課と農業会議の違法・違憲
 まず、千葉県農地課による「照会」問題。農業委員会の進達を受けた千葉県農地課は、市東さんにはまったく照会することなく、空港会社に対してだけ以下、照会した。
 ①小作人の同意のないままの申請であること、②市東さんが主張する位置特定の錯誤について、③南台の畑の敷地外部分に転用計画はあるか
 いったいこの審査で不利益処分を受けるのは誰か? 市東さんだ。だれよりも先に事情説明と意見を求めるべき市東さんにはなんの通知もないまま、空港会社にだけ照会している。
 しかも、照会の形をとって、敷地外部分に転用計画がなければマズイぞと、指南している。(ONE POINT⑩ 「つじつまあわせの架空の計画」参照)
 その後の農業会議の審議は、千葉県知事が諮問したことを千葉県農地課が回答するという、いわば身内同士の出来レース。市東さんが強く求めた現地調査はもちろん意見陳述の場さえ与えられることはなかった。

 成田市農業委員会が違法に受理してから、あっという間に県に上がり、わずか2か月足らずで遅滞なく知事が許可を決定した。まるでエスカレーターのようだ。
 ▼写真:農業委員会第4小委員会の様子を話す市東孝雄さん(2006年7月24日)

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