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許せない! 公団教唆の“地震売買” ──石原健二さん シンポジウム報告②

Photo_3  石原先生のお話は、高度成長期の「開発」と農地転用の関係を詳細に語って、市東さんの農地の根底にある問題を明らかにするものでした。

 1968年制定の新都市計画法の特徴は、①土地は「公共財」として都市計画の決定権を国が持つこと(公的利用では収用法を発動)、②土地は有効利用すべきとして、市街化区域の農地の転用許可を届出制とし課税は宅地並とした。
 その後の度重なる改正は、市街化区域から農地を徹底的に排除し、2000年代には「都市農村計画法」となって規制が広がり、これと表裏一体の関係で農地法の転用規制が緩和されていったという。
 農地法については、とりわけ2009年の改悪で「耕作者主義の放棄」と「企業による農地利用」を認めて、戦後の農地制度の大転換がなされた。
 「このあたりから農地の利用だけでなく、企業が農地を取得できるようにせよという要求となっている。そして今年、耕作放棄地に対して1・8倍の固定資産税をかけて、農家から(農地を)引きはがすことをやっている。いまや農地というのは、農用としてほとんど認められなくなった。農地を農業以外のあらゆるものに利用して、残ったところを耕作すればいいという、田中角栄の“残存農地”が今の現実」。

 そして最後に、市東さんの農地問題の根底には、このような歴史経過があるが、それを超える問題があると指摘しました。
 「特徴のひとつは、農地改革にもかかわらず、地主が手を使って小作地として残したこと。もうひとつは、“地震売買”による、小作地の公的機関による取得です。こんな馬鹿な話はない。今の農地法はもちろん、昭和18年の農地調整法のときから、地震売買は禁止されている。賃借人(市東さん)の合意解約なしに、地主が農地を売買するのは、まったくの農地法違反であって、しかもそれを公的機関が教唆しやったことが許せない。これでは、農地法を無くそうという今の過程を越えて、もっともっといい加減にして構わないことになる。絶対に許してはなりません」と訴えました。

 ※「地震売買」については、11月27日のブログをご覧ください。市東さんの農地問題の核心をズバリ突いた言葉です。

>>>続きにレジュメ

土地は公共財−農業は残存農地で
石 原 健 二

1.新都市計画法の特徴
1919年 都市計画法の成立
1968年 新都市計画法の制定 線引き・地域地区の指定
<その特徴>
① 土地は公共財──国が都市計画の決定権限を持つ。県・市町村への権限委譲は自治事務としてではなく、機関委任事務としての移譲。公的利用では収用法の発動。
② 土地は有効利用する──市街化区域農地は転用許可を届出とし、課税は宅地評価とする。

2.新都市計画法の改正
・70年代
  ア.容積率の緩和等 第1種住専 200%から300%、400%、東京600% 建蔽率の緩和
 イ.地区計画制度の導入 都市再開発法(69)新都市整備法(72)大都市地域住宅開発法(75)
  ウ.生産緑地法の成立(74)−市街化区域から農地を排除
・80年代
  ア.「宅地開発等指導要綱」の廃止(83)
 イ.調整区域の開発基準の緩和20haから5haへ(現在は2ha)
 ウ.中曽根首相 山手線内は5階建て以上
・90年代
 ア.地階と傾斜地の開発
 イ. 特別用途地区の改正「商業専用地区」「中高層住宅専用地区」地区区分を12種類とする
・2000年代 都市計画法は「都市農村計画法」に。都市計画区域外への都市計画
       規制の適用。用途地域の指定のない地域に容積率・建蔽率の追加。
  <大きな変化は70年と78年に。公共事業・デベロッパーの要求に沿った改正。開発利の還元は一切なし。> 

3.農地転用規制──農地法は農地以外の利用は想定せず。28年に転用基準により規制。
・2、3男の宅地転用は早くから容認。
・98年転用権限の緩和。知事4ha市町村長2haに。土地改良済み地の開発可能に。
・2000年 調整区域の開発可能に。
・2006年 都道府県が行う公共転用は許可不要に。
・2008年 街づくりには農地転用行為が含まれるので、農地転用権限については街づくり権限として自治体に帰属すべき。
・2009年 農地法の改正。耕作者主義の放棄。企業による農地利用を認め農地の取得も一部容認。
・2015年 耕作放棄地への課税強化。

4.市東さんの農地
・農地改革での残存農地
・地震売買による小作地の公的機関の取得

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