« 12・14千葉地裁へ  位置特定と偽造文書めぐり正念場(耕作権裁判) | トップページ | 農地法による「農地収用」は憲法違反 ──内藤光博さん シンポジウム報告④ »

市東さんの農地は人権・平和の根拠地 ──鎌倉孝夫さん シンポジウム報告③

Photo  鎌倉先生のお話は、農地を守る市東さんの闘いの意義を、積極的に捉え返すそうとするものでした。論点は、以下の3点。続いて要旨。
1) 人間が人間として生きる根拠としての市東さんの農地
2) 基本的人権を奪う成田空港
3) カネと命は両立しえないという現実
1)
  人間が人間として生きるための根拠を、資本論では“実体”という言葉を使っている。人間は、生きるために不可欠な物(農産物はその基本)を生産し続けている。その担い手(主体)は、直接の生産者である労働者・農民。生産手段としての土地(農地)は彼らによって自主的・意識的に使われることが根本になければならない。ところが資本に雇われると、労働者も土地もカネ儲けの手段として使われる。
 市東さんは自ら有機農法を通して土を作り作物を生産するが、これはまさに宝。農地を自主的に使っているのであって、単なる物権、財産権としての土地ではなく、単なる生産手段としての土地でもない。「人権の基本としての勤労権」が憲法27条で保障されているが、自主的勤労権の保障としての土地の使用ということが、社会的条件として徹底的に有用である。
2)
  成田空港は「公共性」を強調して農地を奪う根拠とするが、それはまったく欺瞞。私的利益を追求する成田空港会社に公共性はない。公共性の基本は、生きて働き、社会を担う労働者の生活、勤労権を保障することにある。
 新自由主義は、資本の利潤追求に自由を保障するものであって、それ自体にはなんの公共性もない。成田空港が発展すると日本経済が拡大するというが、いま資本は史上最高の利益を実現しているにGDPはマイナスを続けている。現実の前に、そんな理屈はすっとんでいる。だから違法、不法、無法の土地収奪が現に行なわれることになる。
3)
  アベノミクスのもとで、多国籍企業化した日本の大資本がためこんだ利益(内部留保)は300兆円を越えている。なぜ膨大な利益を資本が獲得できるのか? 労働組合が「資本が儲ければ会社がが成長し、やがて賃金にまわってくる」と幻想を抱いているいるからだ。
 これまで資本は、賃金を切りさげ、非正規労働者を使い、労働時間を延長することで利潤を拡大してきた。利潤の拡大が生活破壊に拠ってきた。新自由主義のもとで、カネと命は両立しない。3・11はこのことを明確にした。
 しかも人の命さえ、カネ儲けの手段とする。アメリカの産軍複合体と同じように、国家財政に依存して兵器を生産し、パリのテロ事件を使ってイスラミックステイトたいして自衛隊を動かそうとしている。「死の商人」化しつつある。
 資本主義の出発点は農民や手工業者から土地を暴力的に奪うところから始まったが、いままた無法の暴力で土地と生存権を奪う。暴力から始まった資本主義は、暴力無くして体制を維持できない。
 資本と国家を変える、生活権、生存権を保障する。その展望を明確にしよう。市東さんの土地闘争はその根拠地になりうると思う。私は連帯し続ける。
>>>続きにレジュメ

■市東さんの耕作地は、人権・平和確立の根拠地
鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授)
1) 人間が人間として生きる根拠(実体)としての市東さんの農地
① その根拠の担い手=主体は耕作者、そしてそれによって生活を支えている生活者の連帯
② 自主的勤労権保障こそその条件、──物件・財産権としての所有権ではなく、人権の基本としての勤労権
③ 勤労権・生活権を闘い取る主体は、勤労者・生活者、そして連帯する人民
2) 基本的人権を奪う成田空港
① 農地・耕作地を奪う根拠とされていることは、すべて欺瞞。
② 違法・不法・悪法、──有無を言わさず、問答無用の土地収奪、生存権剥奪、暴力そのもの
3) カネと命は両立しえない現実
① 大資本・多国籍大資本の利益拡大、──労働者・勤労者の生活・生存の破壊
② 人の生命をカネ儲けの手段とする大資本・国家、──死の商人化する現在の大資本
③ 暴力から始まった資本主義、暴力なくして維持しえない資本主義
・ 資本とその国家を変えよう
・ その根拠地となりうる市東土地闘争
以上

|

« 12・14千葉地裁へ  位置特定と偽造文書めぐり正念場(耕作権裁判) | トップページ | 農地法による「農地収用」は憲法違反 ──内藤光博さん シンポジウム報告④ »