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農政に苦しむ日本の農家の象徴 ──小川浩さん シンポジウム報告⑥

_blog  小川さんはコメ農家の立場から、農業の現状を話すことで、市東さんの農地闘争の大切さを語りました。安倍農政のもとで進行する農家切り捨ての実態は驚くことばかり。

 「私は借地を含めて30町歩余のコメを作っている。昨年、米価が暴落して小作料も反当2俵から1俵(1万円程度)に下がってきた。水利費や維持管理費に1万円くらいかかるが、そういう固定経費分しか小作料(地代)として払えない。田んぼを人に貸しても、自分が食べるコメは自分で買わなくちゃならないというほどに稲作は衰退した」
 「一人暮らしの年寄りが老人ホームに入るために田んぼを売ったが、1町歩売ってホームの支払い3年分。それだけ資産価値が下落した」
 「昨年、農水省が発表したコメの生産費は全体で1俵1万5500円。はっきり生産費を割っている」
 「安倍政権は“強い農業” “6次産業化” “輸出増大”とか言っているけど、一般の農家にはまったく現実的でない」
 そして、
 「農地中間管理機構を通して、全耕地の8割を担い手に集積するとして、農地を貸し出せば最大で70万円の離作料を払うというが、これは70万円カネを出すから農家をやめろというものだ」と強く訴えました。

 大筋合意したTPPついては、
 「アメリカ7万トン、オーストラリア8500トンの主食用米の特別輸入枠が決まった。備蓄米として市場から隔離するというが、数年後に利用するわけで、その影響は必ず出る」
 「規模拡大を奨励するが、アメリカ農家は100町歩、オーストラリア1000町歩で太刀打ちできない。一定程度拡大してもそれからさらに拡大しようとすると、逆に生産費がかさむ現実があり、みんな悩み不安になっている」
 そして、アメリカと日本の農業保護策に触れて、
 「生産調整が、40数年やってきて初めて達成できたということが言われている。これまで進まなかった生産調整が、なぜいま達成できたのか? それは主食米を作るよりも、家畜米を作った方が収入が多くなるようにしたから。
 そのからくりは国の補助金。最大で反当10万5000円が出る。この家畜米のコメそのものの値段は、1キロ1円、1俵60円です」
 これにはさすがに会場から驚きの声が漏れました。
 小川さんは、アメリカと日本の農業保護策の違いを明らかにし、「アメリカでは農家が再生産できるシステムになっているが、日本は農家の責任でやれる人はやれ、だめな者はやめろというもので、農業を壊滅に追いやるもの」だと訴えました。

 そして最後に、
 「市東さんの問題は、今の日本の農民の現状を象徴するような問題だと思う。私は農業委員をやっていたが、貸借地の位置の間違いや私文書偽造は、おこりようのない問題です。これは農民に課せられた問題であると同時に、農民が生きる道もそこにあるんじゃないか」と話しました。

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