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2016年10月

内藤光博教授の意見書  全文掲載!

Photo  10月14日に最高裁に提出された内藤光博専修大学教授(憲法学)の意見書を、了解を得て掲載します。25日に上告棄却の不当決定が出されましたが、尚のこと今、下級審の判決の違憲性と最高裁決定の不当を、意見書から読み取りたいと思います。

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 意見書は、千葉県知事による、農地賃貸借解約許可処分が憲法29条3項の「正当な補償」に反し、「処分違憲」であることを論証しています。
 その結論を導くにあたって、内藤教授は次の4つの点を検討しました。
 第1に、一審・千葉地裁および二審・東京高裁の両判決の問題点を指摘しました。
 第2に、憲法29条が保障する財産権の意義と内容について、学説・判例をもとにまとめるとともに、内藤教授の独自の見解として、「生存を維持するための最低限の財産権」である「生存権的財産権」の法理を展開しました。
 第3に、市東さんの耕作地に対する解約許可処分が、「実質的な強制収用」であることを論証しました。
 第4に、本件の千葉県知事による解約許可処分が、憲法29条3項に反する「処分違憲」であることを論じました。

 内藤教授は、誤った行政処分および下級審による誤った判断がなされたことについて、①背景に、戦後農地改革を引き継ぐ「耕作者主義」および「小作人の保護」という農地法の立法趣旨の理解不足と軽視があること、そして事実関係の精査を怠ったことがあげられること、②結論を導く主要な法理として、憲法29条の財産権保障について、条文上「公共の福祉」による制約を認めているが、生存権につながる生存を維持するための「生存権的財産権」は、生来的・自然権的基本権として強い保障がなされる必要があることを特記してしています。

 ▼内藤教授の意見書全文  「bo412_s.pdf」をダウンロード

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【声明】私たちは最高裁の上告棄却を弾劾します


         私たちは最高裁の上告棄却を弾劾します

 最高裁判所第3小法廷(大谷剛彦裁判長)は、10月25日、行訴・農地法併合裁判における市東孝雄さんの上告を棄却しました。これは成田空港会社の訴えを認めた一審千葉地裁(多見谷寿郎裁判長 2014年8月25日)、二審東京高裁(小林昭彦裁判長 2015年6月12日)の不当判決を是認し、市東さんの農地の強制収用を認める不当な決定です。

 私たちは心の底からの怒りを込めて、この決定を弾劾します。

 空港会社が取り上げようとしている市東さんの農地は、大正期に祖父・市太郎さんが開墾したものです。戦後、父・東市さんの帰還が遅れたため小作地のまま残されましたが、3代100年近く耕作を受け継ぐ豊かな農地です。
 1988年、空港会社は小作地であるこの農地を、耕作者の市東東市さんに無断で買収し、その事実を18年間秘匿して地代を騙し取り、明け渡しを求めて千葉県知事の解約許可決定を取り付けました。市東さんは知事決定を不服として行政訴訟を提起し(2007年7月27日)、空港会社は、農地の明け渡しを求めて提訴しました(2008年10月17日)。裁判はこれら二つの併合裁判です。
 一見、農地賃貸借関係の解約訴訟に見えますが、この農地は成田空港暫定滑走路の誘導路予定地にあり、拒否すれば強制執行にいきつく「公用収用」そのものです。その規模は千葉地裁の関連裁判(耕作権裁判)を合わせると、市東さんの全耕作面積の73%に及び、戦後最大の収用事件といわれた1971年成田強制代執行を上回る広さです。
 裁判では、農地と耕作者の権利を守る農地法を違法に適用して、土地収用の効果を得るという違法・違憲を最大の争点に、成田空港の反公共性から農業の公共的役割、生存権的財産権としての農地と耕作者の地位の保全に至るさまざまな角度から、市東さんが耕し続けることの正当性を明らかにしてきました。

 その9年間に及ぶ法廷闘争を、わずか3行の主文と数行の理由ならざる理由で切り捨てた最高裁の決定は、到底容認できるものではありません。
 一つに、農地は耕作者市東孝雄さんの命と生活の源泉です。そればかりか無農薬有機農業と産直によって農の再生を図る共同生産者と、その農業をともに育む多くの消費者のものであって、これを奪うことは認められません。
 二つに、農地法は戦後農地改革を経て農地の保全と耕作者の地位の保護を目的に制定されました。棄却決定は、そのあらゆる法令を踏み破る空港会社の違法を許すばかりか、これを農地取り上げの手段とすることを認める歴史的な暴挙です。
 これらはいずれも企業の農業参入を進めて家族農業をつぶし、農地法を形だけのものにしてTPPを押し進める国の政策と一体です。
 さらに、成田空港地域では、1978年5月開港以降も、滑走路・誘導路等の拡張工事が際限なく続けられてきました。そして新たに1000ha空港拡張と200戸の移転をもたらす第3滑走路建設が地元住民を無視して強行されようとしています。「公益」「国策」を盾にしたその手法は、原発再稼働や基地新設にも繋がる強権政治であり、最高裁決定はこれにお墨付きを与えるものとして許すことができません。

 千葉地裁の耕作権裁判では、空港会社の証拠偽造が明らかにされ、最高裁決定の前提が揺らいでいます。市東孝雄さんと弁護団、そして支援者の不屈の闘いは変わることなく続きます。
 私たち「市東さんの農地取り上げに反対する会」は、なおいっそう市東さんを支え、市東さんとともに闘います。11月20日、千駄ヶ谷区民会館のシンポジウムにお集りください。

 2016年10月27日

市東さんの農地取り上げに反対する会

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決定書が送達

 本日11時55分に葉山代理人のもとに、最高裁から上告棄却の決定書が送達されました。決定日は昨日(10月25日)。決定内容を以下に掲載します。

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平成27年(行ツ)第436号
平成27年(行ヒ)第479号
決  定
上記当事者間の東京高等裁判所平成25年(行コ)第326号農地法20条1項による許可取消,土地明渡,建物収去土地明渡請求事件について,同裁判所が平成27年6月12日に言い渡した判決に対し,上告人兼申立人から上告及び上告受理の申立てがあった。よつて,当裁判所は,次のとおり決定する。
主  文
本件上告を棄却する。
本件を上告審として受理しない。
上告費用及び申立費用は上告人兼申立人の負担とする。
理  由
1 上告について
 民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ,本件上告の理由は,明らかに上記各項に規定する事由に該当しない。
2 上告受理申立てについて
 本件申立ての理由によれば,本件は,民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。
 よって,裁判官全員一致の意見で, 主文のとおり決定する。
平成28年10月25日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 大谷剛彦
   裁判官 岡部喜代子
   裁判官 大橋正春
   裁判官 木内道祥
   裁判官 山崎敏充

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【速報】 最高裁が上告棄却! 

 行訴・農地法併合裁判の上告が棄却されました。憲法学者・内藤光博教授の意見書提出が10月14日、それから2週間足らずで精査してないことは明らか。
 最高裁から空港会社へのリークです。 マスコミ(成田各局)は朝からつかんでいて、NHKが昼のニュースで流しました。市東さんの代理人への送達はまだです。ひどいものです。ただちに抗議と激励を!

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10・17耕作権裁判 デモと傍聴へ

 開廷前にデモが予定されています。タイムテーブルは以下。

市東さんの耕作権裁判
10月17日(月)
・デモ  午前9時 葭川公園集合
・裁判  午前10時30分開廷  千葉地裁601号法廷
   ──抽選のために傍聴整理券が交付されます。
           傍聴希望者は9時45分までにお集りください。

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今年のシンポジウムは11月20日です

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両面ビラです。配布にご協力ください。
 →Email:shitou.nouchi@gmail.com
    Fax.050-3588-0142
印刷は以下のPDFをダウンロード

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写真・パネル展が終了

7月と9月、東京・千代田、成田市、朝霞市、千葉市で開催してきた写真・パネル展が、多くの来場者をえて終了しました。これは空港設置の閣議決定から50年の今年、報道写真家・故福島菊次郎による衝撃の記録から、新たな農地取り上げに立ち向かう今を見つめる連続企画。この市東さんの会事務局も実行委員会に加わり運営してきたものです。

 報告の詳細は「福島菊次郎写真展と三里塚の今」実行委員会のブログをご覧下さい。
     ↓↓↓

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10・17耕作権裁判傍聴へ

 今月17日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で、耕作権裁判が開かれます。

 前回裁判は、裁判長の交代にともなう更新意見陳述でした。弁護団は、最大の争点である賃借地の錯誤・誤認と空港会社による偽造証拠の問題に、あらためて光をあてる弁論を行ないました。裁判所による文書提出命令も相俟って、この裁判は空港会社を激しく追いつめています。
 空港会社の逃げや、裁判所の突然の審理打ち切りを許さぬ闘いのために、多くのみなさんの傍聴をお願いします。
 ■耕作権裁判
 ・10月17日(水)午前10時30分開廷
 ・千葉地裁601号法廷
   ──抽選のために傍聴整理券が交付されます。
          傍聴希望者は9時45分までにお集りください。

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