« 弁護団の最終弁論第2部  9・27請求異議裁判報告(3) | トップページ | 11・18シンポジウムのビラです! »

日本農業新聞に書評  『大地に生きる百姓 ──農業つぶしの国策に抗って』

20181014_2 2018年10月14日付 『日本農業新聞』

『大地に生きる百姓 農業つぶしの国策に抗って』
坂本進一郎・著

 これまでの、そして「今」の農政への一百姓=農民の怒りの書である。「亡穀とは亡国なり」の叫びが胸に響く。
 副題「農業つぶしの国策に抗って」とあるが、本書冒頭で、国が農民の土地を取り上げる成田・三里塚闘争で、今なお当事者である市東孝雄さんの現状を挙げる。市東さんは千葉県成田市で三代続く農家。「民事強制執行」の名の下に、農地取り上げと言う緊迫の事態が迫っている。
 減反問題で揺れ動く秋田県大潟村で農業を営む著者は、米国の言いなりでなく、大企業本位ではない農政の確立を長年訴え続けてきた。安倍政権で一気に貿易自由化が進む中で、〈亡穀=亡国〉とは、土地利用型農業の危機感を端的に表す。序文では、中国の憂国詩人・屈原の話に触れる。
 豊富な歴史的知識をまぶした本書で、得心したのは「自由民権運動の伏流水 谷中村と秩父事件、三里塚」。日本初の公害問題・谷中村事件で先頭に立った、田中正造の国への怒りは、世紀を超え形を変え今も農民に受け継がれる。「人間の顔をした農業」を説く著者の思いは、農政の本質とは何かも問うているのだ。
(社会評論社 1800円+税)

|

« 弁護団の最終弁論第2部  9・27請求異議裁判報告(3) | トップページ | 11・18シンポジウムのビラです! »